第4弾『版画作品・桜の記憶』に挑戦!

ペンで繊細に描いたドローイングをパソコンに取り込み、フォトショップで彩色する「デジタル版画」とも言うべき作品です。アナログな手法とデジタルな彩色、そして印刷という行程で作品にしました。(画材・制作ソフト:ペン/Adobe Photoshop)

日本ならではの「すべての物に神が宿る」という考えを題材に、過去の戦争から現在までの経過を表現したイラストです。

株式会社アート印刷工芸社・呱呱プロジェクト参加作品

作品紹介

作者の言葉

「桜の記憶」原作者より

私自身のオリジナル作品を制作する際には、
神話や伝承や伝説、また言葉遊び等をお借りして、現在の環境と組み合わせ、
ストーリーを作り、過去や未来の私が決して見ることのできない風景を描いています。

また、その風景の中で、人を含めた生物の力強さ、奇妙さ、美しさをテーマに、
各々の生物が関わり合いながら、
様々な表情を浮かべて生活をしている姿を描いています。

作品展示などの他にも、
イラストレータとして広告や服飾、 ゲームなどのエンターテイメントなど、
いろいろなジャンルでお仕事をさせていただいており、
お仕事の際には、クライアント様の意向に答えつつも、
自分ならではの世界観を伝えられるよう制作を行っております。

作者プロフィール

奥田 一生(おくだ かずき)
 
平成24年3月京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻卒業
現在学校法人上田学園 大阪総合デザイン専門学校 常勤講師
株式会社memesスクエアー・director

[E-mail]isseitaikenban@kcn.jp
[ホームページ]http://isseinoissyou.michikusa.jp
[Facebook]https://www.facebook.com/kazuki.okuda.773
 

受賞歴

「神戸ビエンナーレコミックイラスト部門」準大賞
「ASIAGRAPH 2013年度 Cgアートギャラリー公募展示部門」優秀作品
「GEISAI#18 / pointranking」10位受賞
「コミックアート賞012」グランプリ コミックアート賞受賞
「第13回インターナショナル・イラストレーション・コンペティション」優秀賞受賞
「青空文庫 有名表紙絵コンテスト」佳作
「東京装画賞2013」入選
「詩とファンタジー」入選
「コミックアート賞012」入選
「第4回イラストレーターズ通信コンペ」入選
 

展示会歴

コミックアートフェスタ作家参加(グランフロントナレッジキャピタルイベントラボ)
ワコールアートセンター主催SICF15(SPIRAL)
奥田一生個展「nen-然」(MU心斎橋画廊)
TRANSNATIONALART2014(江之子島文化芸術センター)
奥田一生個展「sin-深」(SoHoアートギャラリー)
神戸ビエンナーレ受賞展示(メリケンパーク)
ASIAGRAPH 2013年度 Cgアートギャラリー受賞者展(日本科学未来館)
GEISAI#18/ pointranking受賞者展(中野ブロードウェイ3F HIDARIZINGARO)
GEISAI#18参加(東京都立産業貿易センター台東館)
コミックアート賞012受賞者展(ピアスギャラリー)
 

代表的な作品

プロジェクト・チームについて

制 作株式会社アート印刷工芸社
原 画奥田 一生
印 刷プロジェクト・リーダー:三木 照夫版:西村 文男 印刷:砂川 良佑営業・広報:木村 公彰プリンティング・デレクター:木村 泰清
企 画森下 舒弘

プロジェクト・チームに参加して

プロジェクト・リーダー:三木 照夫
グラフィックアート作家・奥田一生氏よりご提供いただきました。
作品「桜の記憶」を見て、非常に細かい所まで作り込まれ、かつ奇抜な発想・イマジネーションを持った作品に、驚きを隠せませんでした。
まず、作品の立体感、およびタイトルの「桜」をどう引き出すかを吟味し、紙の選定・製版・色数・使用インキを熟考し、1枚の作品に仕上げました。
今後も、プロジェクトチームは様々なテーマや作品に挑戦し、皆様に感動してご鑑賞いただけるよう挑戦いたします。

版担当:西村 文男
作品である桜の木は、作品名「桜の記憶」の通り、遠い過去から今までを、桜が思い起こした形にした「動き」のある作品だと思いました。
奥田氏から「ペンで描いている」とおうかがいして、桜自体の存在感を出したいと思い、線画の部分を強調するために、線を抽出してレイヤーで強調した版を作成しました。また、彩度を上げるために、FMスクリーンを使用したことで立体的な動きのある作品に仕上がったと思います。

印刷担当:砂川 良佑
できるだけ立体感が出るようなイメージで印刷しました。
濃い部分と薄い部分の差が出て、メリハリの利いた良い作品になったと思います。。

営業・広報担当:木村 公彰
奥田一生氏の作品をはじめて見た時、まず目に飛び込んだのは、永い樹齢を思わせる桜の木でした。
そして、よく見てみると、そこには桜とともに暮らしているたくさんの動物たち、朽ち果てた戦車や飛行機、お年寄りと子供、満開の花とつぼみなど、時間の経過を感じさせる作品でした。
今回、弊社で桜の木を浮き立たせるため、背景など部分的にマットニスで抑えたり、FMスクリーンを用いて彩度を上げて印刷したことによって、よりいっそう、それらに注目していただけるように仕上がったと思います。
ホームページの写真からは、残念ながらその表現を確認していただくことができませんが、奥田一生氏の(実際の)作品展などでご覧にいただければ幸いです。

プリンティング・デレクター:木村 泰清
新しい「版画」への試み

奥田一生氏との最初の出会いが、つい先日のように甦ります。感動しました。奥田氏の「イラスト版画」の考え方と、私達が進めている「印刷版画」の考え方が、まったく一致したからです。
「印刷版画」に取り組む最初の作業は、作家の方との十分な対話であり、作品との対話です。印刷設計にかかる前に、作品を解釈する(感じる)ことから始めます。
作品「桜の記憶」を、表現するにあたって、次の4点に重点を置きました。
[1]印刷方式の選択…オフセット印刷、FMスクリーニング方式を選択。
[2]製版データの作成…200を超えるレイヤーデータから、印刷方式を踏まえた、版を作成。
  (製版データの作成)
[3]インキの選択…空間表現のために、部分的なマットニスの活用。
[4]用紙の選択…厳選した数種の用紙を、試刷り(本機刷り)を経て決定。
これらにより、今回の作品「桜の記憶」が内包する世界を、かなり表現できたという実感があります。
新しい「版画」に取り組む、奥田氏とお会いできたことは、スタッフ一同の喜びでもあります。今後のご活躍を期待するとともに、さらなる試みにご一緒に挑戦したいものです。

データについて

原画CG画
画像編集ハードウェア・スペックMacPro2.8GHz Quad‐Core Intel Xeonメモリ:5GB 1066MHz DDR3HDD:1TBソフトウェア・スペックMac OS X 10.6.8Adobe Illustrator CS5Adobe Photoshop CS5Adobe InDesign CS5リップPrinergy Ver5.1.2.2CTPKodak Lotem 800 QuantumFM Staccato 20μ
印刷環境印刷HEIDELBERG SM102-5P 5色機インキリソレックスエクシイプロセス(墨・藍・紅・黄)TKマットOPニス用紙リアルマット<93.5>オペークケント<76.5>画王<93.5>ミラーコートプラチナ<93.5>